Meet Our People 07
パラリーガル(不動産) 02
経済学部卒業 2008年度 中途入所

「不動産流動化」の黎明期より携わる業界の先駆者として

AMTにおける不動産パラリーガルの仕事は、大きく分けると、二種類に分かれます。1つは「REIT(リート)」と呼ばれる案件を中心に扱い、不動産デュー・ディリジェンスや有価証券届出書や有価証券報告書といった有価証券開示に関する書面の作成を行い、金融庁が運営する「EDINET(エディネット)」経由で提出を行う業務です。デュー・ディリジェンスとは、不動産のリスク調査や法務調査、レポートのドラフト作成を指し、その対象物件はオフィス、ホテル、レジデンス、物流倉庫、ショッピングセンターなど幅広い不動産を取扱います。

私は、上記のREIT業務とは異なり、主に不動産流動化における類型の1つである、「資産流動化」に関する業務全般を対象とした案件の進行管理、ドキュメンテーション(書類の作成)、法務手続などを行っています。資産の流動化とは、資産の流動化に関する法律に基づき、特定の不動産等の財産権を、特定目的会社に移転し、当該資産の管理・処分により得られる将来のキャッシュフローを原資に資金調達を行う仕組みのことをいいます。

これは、2001年に創設された比較的新しい市場で、AMTではその黎明期より数多くのファイナンス案件に関与してきた豊富な見識と経験があります。

知識が武器となる仕事

私は大学時代、経済学を専攻しましたが、法律に関する興味が人一倍強い学生でもありました。経済を学べば会社の商品を価値として顧客や社会に提供できます。しかし法律家であれば、個人が有する知識や経験を提供することで依頼者の問題解決に貢献できます。まさに知識を武器とした仕事です。法律が及ぶ範囲は家族関係から自らが住む家(不動産)に至るほど、私たちの生活にとても身近なもので、士業を自らの生業とすることに小さな憧れを抱いていました。

大学卒業がまさに就職氷河期にあったこと、また、経済学部の卒業生が法律業務に新卒で携わることが難しかったことから、一度は地元の銀行に勤めましたが、法律に関わる仕事に就きたいと辞職。法律系専門学校に学び司法書士の資格を取得し、現在に至ります。AMTでは司法書士の資格を有することから不動産関係の仕事を多く任されるうちに、不動産流動化(不動産を対象とした資産の流動化)を主に扱うようになりました。

不動産流動化の案件は、始まりからクローズまでおよそ1〜2か月半かかります。私たち不動産パラリーガルは、この期間内に無事に案件をクローズさせるようスケジュールを組むこととなります。そこには、クライアントや弁護士とのコミュニケーションや確認、郵送などの事務手続にどれだけの期間が要されるか、また適切なタイミングで必要書類がそろうかなど、それぞれ先回りして想定することが求められます。

どんな仕事でも同じですが、当初の予定どおりにことが進むことはなかなかありませんので、その都度関係者間の調整を行い、並行して書類のアップデートを行っていくことになります。特に海外クライアントとのやり取りにおいては、夏場や冬場を迎えるたびに長期のバカンスに入ってしまうこともあるため、前倒しした提出日を設定することも大事です。また、日本企業がクライアントであっても、3月、6月、9月、12月など企業の決算月前後には案件が集中しますから、類似案件の進行が混乱しないよう、より一層注意を払って、関係者への適切なリマインド、申し添えを行います。

自ら学び、関わることで1人前となる

不動産流動化においては、進行業務を含む書類を通じた業務が主ですが、弁護士が作成した書類のチェックを行うだけではなく、案件において求められる書類を弁護士の個別指示を待たずにパラリーガル自ら判断し、ゼロから作成することもあります。資金調達の場面においては、銀行や投資家、さまざまな関係者と関係しながら、弁護士の指揮の下でパラリーガルが中心的に案件を進め、全体把握に努める必要があります。華やかで目立つ仕事ではないかもしれませんが、エッセンシャルワーカーのように、案件を下支えする非常に重要な役割を担っていると私は思います。

1人前になるには、とにかく案件を経験することです。基本的な流れや内容については類似するものが多いため、数をさばくほどどの書類がどのタイミングで必要なのかがよくわかるようになります。

私たちのチームでは、基本的には実践を通して仕事を学んでいただきます。まずは先輩パラリーガルの作成した書類チェックを第一ステップとし、次にドラフトを実際に作成する第二ステップ、そして、自ら指揮を執り案件を進行していただく最終ステップと、段階を踏んで業務分担をします。ドラフトの作成に慣れるまでには半年から1年で十分かと思いますが、そこから案件の全体感を把握して、弁護士・依頼者などの関係者とスムーズな連携をもって案件を進行するまでには、およそ2〜3年ほどの実務経験が求められます。これは知識のみならず、現場経験を積むことで身につく感覚的な要素が大きいためです。

求められるのは、誠実さをもって真の正しさを追う姿勢

業務においてわからないことがあれば、先輩パラリーガルや弁護士に質問しやすい関係性にありますが、私が思うに、そういった疑問が生じた際、自ら能動的に文献にあたったり、前例を探したりすることが不動産パラリーガルに求められる姿勢です。

私個人としても常に心がけていることではありますが、経験者に参考事例を聞くのではなく、最新の法令や文献等の一次情報にあたることはとても重要です。なぜかといえば、法令は日進月歩で改定されていくため「前回の案件ではこうだったから」という思い込みが間違いとなることが時にあります。そうしたことから、ある一面では、自分を信じすぎることがないような心がけが必要なのです。今でも私は、後輩からのドラフトチェックや質問があったときは、内容にアップデートがないか、逐一確認する時間を設け、しっかりとその根拠を掴んでから回答しています。一見すると面倒にも見えるかもしれませんが、それは回り回って、いずれしっかりと自分の糧になると信じています。

不動産パラリーガルには、そうした誠実さをもって正しいものを求め続ける意識が欠かせません。それだけではなく、期日管理をしっかりと行うための気遣いや想像力、先回り力、複数案件をこなすためのスピード感が必要です。とは言っても、スピードが早ければよいというものでもなく、丁寧さがあってこそですから、そのバランス感覚は業務に慣れてくるにつれて自然と身についていくものかもしれません。

海外にも拠点を複数開設しており、日本文化にとらわれない組織文化があることから、フラットな雰囲気があることはAMTの魅力です。リモートワークもできますし、フレックスタイム制を採用しているため、お子さんのいる方は保育園や幼稚園などの送り迎えに合わせた出退勤がしやすいです。私にも子供がいますが、急な発熱や不調の際にも休みやすく、それについて同僚になにか言われるということもありません。仕事の引き継ぎなどについても、チーム制であることから、ゼロから共有することから始まる手間もなく、迷惑をかけることも少ないと思います。男性だから、女性だから、ということではなく、互いに同志として、やわらかな実力主義のうえに成立する職場だと思いますね。

※この記事は2022年12月時点の内容を基にしています。

パラリーガル(不動産)の1日の流れ

09:00
始業
メールをチェックし、急ぎの書類作成に着手。
10:00
外出
法務局へ申請のため外出。
12:00
お昼休み
13:00
外出
財務局へ届出のため外出。
15:00
契約書の作成、チェック
溜まっている書類を作成し、同僚や後輩から提出されたドラフトをチェック。
18:00
業務終了
2002年
経済学部卒業
2008年
当事務所入所、パラリーガル(不動産)に

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