就職活動中は「職場の居心地のよさ」も重視しました。AMTは説明会のときに、「事務所の雰囲気がいいな」と思ったこともさることながら、「感じのいい人が多い職場だな」という印象を受けました。長く働くことを考えたら、やはり一緒に仕事をしていて気持ちのいい人がたくさんいて、その中で働きながら学び、成長できることも大きなポイントでした。現役のスタッフから、こういうエピソードも聞いたんですよ。「忙しそうな同僚、例えば、定時を過ぎても大変そうにしている人がいたら、『大丈夫ですか?』『お手伝いしましょうか?』と声をかけて、一人で仕事をたくさん抱え込まないよう、お互いに気遣う習慣が根付いている」と。
また、弁護士に対して漠然と堅いイメージがあったのですが、面接時はとても和やかで、「志望動機は?」など採用面接ならではの質問だけでなく、博物館について論じた私の卒論について、「卒論のテーマ、面白いね!お勧めの博物館ってどこかな?」などのやわらかい質問をして、私の緊張をほぐしてくれ、会話を通して私の個性を見てくれたのが、うれしかったです。面接室の中から笑い声が聞こえたりして、「明るい職場だな。ここで働いたら楽しそうだな」と好感を持ちましたね。
実はほかの法律事務所も見て回ったのですが、面接や説明会で感じた秘書と弁護士の距離感や、事務所の雰囲気はそれぞれに違っていました。そのようなことを踏まえて考えた結果、秘書兼任パラリーガルという他の事務所にはない職種があり、職場の雰囲気がよいこと、私らしく、のびのびと働けるのではないかとの思いから、AMTにお世話になることに決めました。
入所前に抱いた好印象が、入所後に裏切られることはありませんでした。堅苦しい上下関係はなく、誰とでも率直に意見を交換できる風通しのいい職場環境。仕事も相談しながら進めます。秘書兼任パラリーガルから案件担当の弁護士に「こうしてみませんか?」と提案して、弁護士から「いいね、それでやってみましょう」と提案を受け入れてもらえることもしばしば。まだまだ学ぶことは多いけれど、一人のプロフェッショナルとしての自分の意見を尊重してくれることにうれしさを感じる反面、しっかりとした仕事をしなければ、という責任感も感じますね。
秘書兼任パラリーガルは約70名いますが、チームワークのよさも自慢です。仕事や繁閑の状況に応じて、お互いに助けあって仕事をしているため、秘書兼任パラリーガル全員で一つのチームとして働いていることを実感できます。大量の翻訳が発生したり、成果物の提出期限が短かったりするときは、全員に向けて「お手伝いを募集しています」とメッセージを出すと、必ず誰かが呼びかけに応じてくれるのが心強いです。
スタッフは基本的に自宅に仕事を持ち帰ることはないため、事務所を一歩出ると、仕事から離れることができます。オンとオフの切り替えがきちんとできるので、しっかり気分転換していますよ。オフは友達とご飯に行くことが多いです。また、有給休暇も取りやすく、土日と繋げて国内旅行に行ったりもします。夏季休暇と有給休暇を合わせれば長く休めるので、海外旅行に行ってリフレッシュするスタッフも多いですね。
秘書兼任パラリーガルには繁忙期があります。多くの外国会社が毎年3月頃にアニュアル・レポートを開示するため、それを翻訳し、有価証券報告書という書類にして6月までに官公庁に提出しますが、その間はかなり忙しくなって、残業も増えます。弁護士秘書でもあるので、担当弁護士に迷惑をかけないようにパラリーガル業務と秘書業務のバランスを取らなければならず、そこに難しさを感じることも。無事に提出作業を終えたときには、大きな達成感を得られます。大変なこともありますが、弁護士や秘書兼任パラリーガルがみんなで参加する案件の打ち上げも、仕事のモチベーションになっていますね(笑)。
大規模な資金調達や株式の上場案件などもあり、自分の携わった案件が新聞に大きく載ったり、時にはテレビで報道されたりすることがあるのも、仕事のやりがい、醍醐味を感じるポイントの一つですね。とはいえ、普段はファイリングや書類のチェックなどのデスクワークが中心で、また、扱うのが金融・証券関係の書類という性質上、間違いは許されないので、慎重に慎重を重ねた、正確な作業が不可欠です。「慎重で、よく気が回って、細かい作業にも真摯に取り組める人」が、この仕事には向いているのかもしれません。
※この記事は2017年3月時点の内容を基にしています。