AMTの特徴のひとつとして、専門分野ごとに組織を分ける、いわゆる「セクション制」が採られていないことが挙げられます。AMTでは、個々のプロジェクトごとに、そのプロジェクトに適したメンバーでチームを組み、チーム単位で作業を進めていきます。このように、各分野のプロフェッショナルが個々の知識・経験を持ち寄り、互いに意見を出し合いながら案件を進めることが、結果としてより付加価値の高いリーガルサービスの提供につながっているのだと思います。
また、所内では、ランチタイムを利用した勉強会が活発に行われています。勉強会では、毎回、担当の弁護士がひとつのテーマを決めて発表を行うのですが、後半では他の弁護士からもそれぞれの経験を踏まえたコメントがなされるなど、意見交換の場としても有効に活用されています。私自身も、普段あまり接点のない法律分野の最新動向にも効率的にキャッチアップできるので、このような勉強会の機会を重宝しています。
このほか、所内ではテニスや野球、ゴルフなどのサークル活動も盛んに行われています。私の場合、入所当初から「AMTランナーズ」というランニングサークルに所属し、月一度のペースで所内のランニング好きな弁護士やスタッフと皇居周回を走り、共に汗を流しています。ランニング後、近くの居酒屋で行われるアフターの時間も、良いリフレッシュになっています。
このように、AMTでは、専門分野や職種の垣根に捉われない、所内横断的なコミュニケーションが活発に行われており、風通しの良い職場環境が作られているといえます。
私の入所当時、ママ弁護士はまだ少数派だったのですが、近年、産休・育休からの復職後もAMTに残るママ弁護士が着実に増えています。これには、自宅から職場PCと同様の環境が実現できるリモートワークシステムの導入のほか、ベビーシッター補助制度の拡充、法人契約の保育園枠の確保、固定的な時間での勤務を可能とするフィックス・タイム制の導入など、様々な育児支援制度が導入されたことが大きく影響していると思います。
私にも現在、7歳、5歳、3歳の三人娘がおり、出産の都度、約半年の産休・育休を取得しました。今でこそ何とかワークライフバランスを実現できている私ですが、復職直後は自分のキャパシティが読み切れず無理をしたり、子供の急な発熱等で周りに迷惑をかけたことも少なからずありました。ここまでやってこられたのは、上述のような事務所の育児支援制度を利用できたことに加え、育児にサポーティブな弁護士・スタッフの協力や励ましがあったことが何より大きかったです。
ちなみに、AMTには、子供との関わりを大事にするいわゆる「イクメン」弁護士も意外と多いんです。出産への立会いは勿論、仕事に差し支えのない範囲で、子供の受験勉強を見たり、PTA活動に参加したりするパパ弁護士も増えています。日々の業務のプレッシャーはありつつも、チームで助け合い、お互いの家族も含め思いやれる環境があることも、AMTの魅力のひとつだと思っています。
新たに弁護士になった皆さんには、まずは何より、先入観に捉われることなく、様々なジャンルの業務を経験していただければと思います。特にAMTでは、専門分野が固定されないため、新しい法律分野や業務にチャレンジしやすい土壌があります。幅広い経験を積む中で、徐々に自分の興味分野が絞られてくるでしょうし、他の分野についてもある程度の知見を得ることができるはずです。そのような経験は、企業法務弁護士としてのキャリアを構築するうえで、遠回りに見えて実は最も着実なパスだといえると思います。
自身のキャリアで迷ったときにも、AMTには、どのようなことでも相談できるチューター制度がありますし、先ほど述べたとおり、所内の弁護士・スタッフと分野や職種を超えた交流をする中で、啓発的な出会いが待っているかもしれません。皆さんの新しい挑戦を、お待ちしています。
※この記事は2019年3月時点の内容を基にしています。
独占禁止法をメインとして、中国・アメリカでの留学・勤務経験も生かし、中国・アジア新興国投資、国際訴訟・仲裁、国際契約交渉等を担当。最近はプロボノ活動として難民認定申請の支援にも力を入れている。